
関東馬と関西馬:競馬場の地域性
日本の競馬において、競走馬は東西に分けて考えられることがよくあります。これは、馬が訓練を受ける場所の違いに基づいた考え方です。関東馬と呼ばれる馬たちは、茨城県にある美浦トレーニングセンターで日々鍛錬を積み重ねています。一方、関西馬と呼ばれる馬たちは、滋賀県にある栗東トレーニングセンターで鍛えられています。
東西それぞれのトレーニングセンターの周辺には、主要な競馬場が存在します。美浦トレーニングセンターの近くには、東京競馬場、中山競馬場、新潟競馬場、福島競馬場といった関東圏の競馬場があります。これらの競馬場へは、馬を輸送する負担も比較的軽くて済みます。そのため、関東の競馬場で行われるレースには、関東馬が多く出走する傾向があります。
同様に、栗東トレーニングセンターの周辺には、京都競馬場、阪神競馬場、小倉競馬場、中京競馬場といった関西圏の競馬場が位置しています。栗東トレーニングセンターに所属する関西馬にとって、これらの競馬場への輸送は、関東の競馬場へ輸送するよりも負担が少なくて済みます。そのため、関西の競馬場で行われるレースには、関西馬が多く出走する傾向が見られます。
このように、東西の区分は、各トレーニングセンターと競馬場の地理的な位置関係に深く関わっています。長距離輸送は馬にとって大きな負担となるため、なるべく輸送距離が短くなるように、レースへの出走が計画されることが一般的です。馬の体調管理は、レースで良い結果を出す上で非常に重要であり、輸送による負担を最小限に抑えることは、競走馬にとって欠かせない配慮と言えるでしょう。また、東西それぞれのトレーニングセンターには、それぞれに得意とする調教方法や、所属する調教師の個性などもあるため、東西の馬の比較は競馬ファンの間でもよく話題になります。