
「のめる」:競馬における馬場状態の影響
競馬の世界で「のめる」という言葉が使われるのを耳にしたことがありますか?これは、雨などでぬかるんだ馬場状態を表す、競馬独特の表現です。 普段はサラサラとした砂のような馬場が、雨水を吸い込んでまるで田んぼのようにぬかるんでしまうと、馬は思うように走ることができません。これを「のめる」と言います。
乾いた良馬場では、力強い走りを見せる馬でも、水が含まれた重馬場や、さらに状態が悪化した不良馬場になると、足を取られてしまうのです。まるでスケートリンクの上を歩くように、蹄が地面を捉えられず、滑ってしまいます。馬は四本の足で全身を支え、地面を蹴って前に進む生き物です。ですから、足場が不安定だと、バランスを崩しやすく、踏ん張りがききません。
このような状態では、本来のスピードが出せないばかりか、スタミナの消耗も激しくなります。まるで泥の中を走るマラソンを想像してみてください。乾いた舗装路を走るよりも、はるかに体力を消耗しますよね。馬にとっても同じことで、ぬかるんだ馬場を走ることは、大きな負担となるのです。
ですから、「のめる」馬場状態は、レースの結果を大きく左右する重要な要素となります。普段は強い馬が力を発揮できなかったり、逆にパワーのある馬が有利になったり、予想外の展開になることも珍しくありません。競馬新聞などで馬場状態を確認し、「この馬は力のいる馬場が得意」「この馬は乾いた馬場の方が良い」といった情報にも注目することで、より深い予想を楽しむことができるでしょう。