
寝そこない:馬の寝違えにご用心
馬も私たち人間と同じように、睡眠によって疲れを癒します。人間は布団やベッドで自由に寝姿勢を変えられますが、馬房という限られた空間で暮らす馬は、そうはいきません。馬にとって快適な睡眠をとることは容易ではなく、思わぬ落とし穴があるのです。その一つが「寝そこない」です。
馬は体を大きく倒して深く眠る必要がありますが、馬房という限られた空間では、寝わらのかたまりや壁際で寝てしまうことがあります。すると、不自然な姿勢のまま長時間寝続けることになり、まるで人間が「寝違え」を起こした時のような状態になります。首や肩、腰などに痛みや違和感を感じ、時にはそれが原因で故障につながることもあるのです。
朝、馬房に行った時、いつもと様子が違うことはありませんか?例えば、動きが鈍い、首を傾げている、足を引きずっているなど。このような症状が見られたら、「寝そこない」の可能性を疑ってみましょう。すぐに獣医師に相談することが大切です。
寝そこないを予防するには、馬房の環境を整えることが重要です。寝わらは毎日きれいに交換し、厚みも十分に確保する必要があります。馬房の広さも、馬が楽に寝転べるだけのスペースが必要です。また、馬房の壁は安全な素材で、馬が体をぶつけても怪我をしないように配慮する必要があります。私たちが快適な睡眠環境を求めるように、馬にとっても適切な寝床作りは健康管理において欠かせない要素なのです。