
競馬で不利?「揉まれる」とは
競馬において、「揉まれる」とは、レース中に馬が他の馬に囲まれ、自由に走れない状態を指します。密集した馬群の中では、馬同士が接触したり、進路を塞がれたりすることが頻繁に起こります。このような状況は、馬にとって大きな負担となり、能力を十分に発揮できない原因となります。
馬が揉まれると、まず精神的なストレスを受けます。周りの馬に囲まれ、自由に動けないことで、馬は不安や焦燥を感じます。このストレスは、馬の集中力を低下させ、レースへの意欲を削いでしまう可能性があります。さらに、肉体的にも負担がかかります。馬同士の接触は、馬体に衝撃を与え、時には怪我につながることもあります。また、馬群の中で急に止まったり、方向転換を強いられたりすることで、脚部に負担がかかり、故障のリスクも高まります。
騎手は、馬が揉まれないように、常に馬の位置取りに気を配る必要があります。馬群の外側を走らせる、前方の馬との距離を適切に保つなど、状況に応じて最適な位置取りを選択しなければなりません。しかし、レース展開は常に変化するため、騎手の予想通りにいかないことも少なくありません。思わぬ進路妨害を受けたり、他の馬に囲まれて馬群に沈んでしまったりすることもあります。このような状況では、騎手の経験と判断力が試されます。馬群の隙間を縫うようにして抜け出す技術、馬を落ち着かせて冷静に状況を判断する能力が求められます。馬群をうまく捌いて前に出ることができれば、勝利に大きく近づくことができます。反対に、馬群の中で動けなくなってしまうと、順位を大きく下げ、敗北につながる可能性が高くなります。そのため、馬群の中での騎手の的確な判断と巧みな技術は、レースの勝敗を左右する重要な要素と言えるでしょう。