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競走馬の脚、特に前脚によく見られる病気の一つに、エビハラと呼ばれるものがあります。エビハラとは、正式には屈腱炎と言い、腱に炎症が起きる病気です。腱とは、筋肉と骨を繋ぐ、大変丈夫な繊維の集まりのような組織です。馬が走るとき、地面からの衝撃を吸収するバネのような大切な役割を担っています。 この腱に炎症が起きると、腫れが生じます。この状態が屈腱炎、つまりエビハラです。炎症が進むと、患部はまるで茹でたエビの腹のように赤く腫れ上がって見えます。その見た目から、エビハラと呼ばれるようになり、単に「エビ」と呼ぶ人もいます。 エビハラは、主に前脚に発生しやすい病気です。これは、前脚が馬の全体重の約6割を支え、着地の際に大きな負担がかかるためです。激しい調教やレースなどで腱に繰り返し負担がかかり続けると、腱の繊維が微細に損傷し、炎症を引き起こします。 エビハラは競走馬にとって大きな痛手となる深刻な病気です。軽度の炎症であれば、休養と適切な治療によって回復することもありますが、重度の場合は、競走能力に大きな影響を与え、引退を余儀なくされることもあります。また、一度エビハラを発症した馬は、再発のリスクも高く、関係者にとっては常に不安の種となります。 そのため、調教師や獣医師は、馬の体調管理に細心の注意を払い、早期発見、早期治療に努めています。日々の調教の強度を調整したり、装蹄師と連携して蹄の状態を整えたり、馬の脚への負担を軽減するための様々な工夫が凝らされています。競馬関係者にとって、エビハラは常に付きまとう難題であり、その予防と治療は馬の健康を守る上で非常に重要な課題となっています。

「エビハラ」とは、競走馬が掛かりやすい脚の病気「浅屈腱炎」の俗称です。名前の由来は、炎症を起こした脚の腱が腫れ、まるでエビの腹のように丸く膨らんで見えることにあります。正式名称である浅屈腱炎は、脚、特に前脚にある浅屈腱という腱に炎症が起きることで発症します。 この浅屈腱は、馬が地面を蹴り出す時に使う大変重要な腱です。ここが炎症を起こすと、馬は強い痛みを感じ、正常に走ることができなくなります。走ることを生業とする競走馬にとって、エビハラは、まさに致命傷になりかねない深刻な病気です。 競馬の世界では、エビハラは決して珍しい病気ではありません。多くの競走馬がこの病気に悩まされ、関係者もその脅威に常に気を配っています。一度エビハラを発症すると、完治するまでには長い時間が必要です。馬は休養を余儀なくされ、調教を続けることもできません。復帰までには、患部の腫れが引くのを待つだけでなく、腱の組織がしっかりと修復されるまで、焦らずじっくりと時間をかける必要があります。 残念ながら、エビハラは再発しやすい病気としても知られています。一度治癒したとしても、再び激しい運動を繰り返すうちに、同じ箇所に炎症が再発する可能性が高いのです。さらに、重症化すると、腱が断裂してしまうこともあります。そうなれば、競走馬としての生命は絶たれ、二度とレースを走ることは叶わなくなってしまうかもしれません。そのため、競馬関係者は、日頃から馬の脚の状態を注意深く観察し、エビハラの予防や早期発見に努めています。馬の健康管理には、飼料の調整、適切な運動量の管理、装蹄師による蹄鉄の調整など、様々な要素が関わってきます。そうした日々のケアの積み重ねが、エビハラのような重篤な病気から競走馬を守ることにつながるのです。