部位

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馬体の各部位

馬の額の模様:珠目について

馬の顔をよく見ると、額に渦を巻いた毛の流れがあるのに気づきますか?これは、私たち人間のつむじと同じように、馬の額にある毛並みの渦巻きで、「珠目(しゅもく)」と呼ばれています。古くから馬を品定めする際に、この珠目は重要な手がかりの一つとして大切にされてきました。 珠目は、その位置や形によって様々な呼び名があり、例えば、額の中央にあるものは「的目(まといめ)」、額の上部にあるものは「天目(てんもく)」、左右どちらかに寄っているものは「寄り目(よりめ)」などと呼ばれています。まるで人間の指紋のように、全く同じ珠目を持つ馬はいないため、馬を見分ける重要な目印にもなっていました。昔は馬の売買の際に、珠目の位置や形を記録に残し、その馬の個性を見極める一種の戸籍代わりとしていたほどです。 珠目の良し悪しを判断する基準は、その位置と形、そして毛並みの美しさにあります。額の中心に位置し、渦が美しく整っている珠目は吉相とされ、特に的目は馬の気性を穏やかにすると信じられてきました。一方、渦が乱れていたり、左右に大きく寄っていたりする珠目は、気性が荒い証拠だと考えられてきました。 もちろん、珠目の位置や形で馬の性格が全て決まるわけではありません。しかし、馬の個性を象徴する珠目は、馬を深く理解するための手がかりの一つとして、今でも大切にされています。小さな渦巻き模様の中に、その馬が生きてきた歴史や個性が刻まれていると言えるでしょう。
馬体の各部位

競走馬の「馬体」を読み解く

競馬において、「馬体」とは競走馬の体つき全体を指します。走る速さを見極める上で、馬体の良し悪しは極めて大切です。馬の体は細かく分けられており、それぞれの場所に名前が付いています。これらの名前は、馬の体の大きさや特徴を正確に捉え、評価するために使われます。競馬に詳しい人は、馬体を見るだけでその馬が秘めている力や得意な走り方などをだいたい見抜くことができると言われています。 馬体の評価は、ただ筋肉の量や骨の大きさだけでなく、バランスや柔らかさ、そして全体の均整の美しさといった点も大切にされます。これらの要素が複雑に絡み合い、競走馬としての能力を作り上げています。たとえば、力強い後ろ脚は、スタートダッシュの速さや坂道の登りやすさに繋がります。一方で、しなやかな背中は、スムーズな体重移動を可能にし、無駄なく走ることができます。また、バランスの取れた四肢は、故障のリスクを減らし、安定した走りを支えます。これらの要素は単独で評価するのではなく、互いにどのように影響し合っているかを総合的に判断することが重要です。 馬券を買うときにも、出走馬の馬体についてある程度の知識を持つことで、より正確な予想を立てることができます。たとえば、短距離走に適した馬は、筋肉質でがっしりとした体格をしていることが多いです。長距離走に適した馬は、すらりとした体形で、持久力に優れていることが求められます。このように、レースの距離や種類によって、求められる馬体も異なってきます。競馬新聞やインターネットなどで提供されている馬体写真や解説を参考に、出走馬の馬体の特徴を把握することで、より深い予想を楽しむことができるでしょう。馬体を見る目を養うことは、競馬をより深く楽しむために欠かせないと言えるでしょう。