
競馬における「たて目」とは?
競馬では、1着と2着の馬を順番を気にせず当てる馬券を連勝複式馬券といいます。この馬券でよく起こる、悔しいけれど少し嬉しい、不思議な現象を表す言葉が「たて目」です。「たて目」とは、自分が買った馬券の組み合わせの中で、軸となる馬が来なかったにも関わらず、残りの馬同士で1着と2着が確定した時のことを指します。
例えば、1番の馬と2番の馬、1番の馬と3番の馬の組み合わせで連勝複式馬券を買ったとしましょう。この場合、1番の馬が軸馬です。軸馬である1番の馬が3着以下になり、2番の馬と3番の馬が1着と2着になったとします。この時、軸馬が来なかったにも関わらず、自分が買った残りの馬同士で決着がついたことになります。これが「たて目」です。つまり、「たて目」は軸馬が外れたにも関わらず、偶然にも他の組み合わせで的中してしまった状態を指します。
「たて目を食らった」という表現をよく耳にしますが、これは複雑な感情を表しています。軸馬が来なかった時点で、馬券は外れたと思い込みます。ところが、予想外の組み合わせで的中してしまう。この予想外の的中は嬉しい反面、軸馬を信頼して他の馬券も買っていた場合は、大きな損失につながる可能性があります。そのため、「たて目」は競馬予想の難しさを象徴する言葉として、競馬ファンによく使われています。軸馬が来なければ予想は外れる、そう思っていた矢先に、思いもよらない幸運が訪れる。この複雑な感情が「たて目」という言葉に凝縮されていると言えるでしょう。