角馬場

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調教

角馬場:調教の舞台裏

競馬の世界では、様々な場所で馬の訓練が行われますが、その中でも「角馬場」は特別な場所です。角馬場とは、競走馬の調教専用の小さな馬場のことです。通常、競馬場には広々とした芝やダートのコースがあり、そこでレースが行われます。これらのコースとは別に、ひっそりと佇むように設置されているのが角馬場です。まるで、広大な調教コースの片隅にある秘密の訓練場といった趣です。 角馬場は、その名の通り、調教コースの角、つまり隅に作られていることが多いです。そのため、場所によっては四角形ではなく、三角形や半円形になっていることもあります。大きさは正式なレースが行われるコースに比べてかなり小さく、人が歩く練習場のような規模です。素材は砂が一般的ですが、馬の脚への負担を軽減するために、細かく砕いた砂利や木くずなどを混ぜている場合もあります。 一見すると、コースの脇役のような存在に思える角馬場ですが、実は競走馬の育成において非常に重要な役割を担っています。馬はデリケートな生き物なので、いきなり広いコースで激しい訓練を行うと、脚を痛めてしまう可能性があります。そこで、まずは角馬場でゆっくりと体を動かし、徐々に運動に慣れていくことが大切です。また、狭い馬場で運動することで、馬のバランス感覚や細かい動きを調整する効果も期待できます。若い馬にとっては基礎訓練の場として、ベテランの馬にとっては調整運動の場として、それぞれの段階で角馬場は欠かせない存在と言えるでしょう。