管囲

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馬体の各部位

管囲:馬の強さを知る重要な手がかり

競走馬の良し悪しを見極めるには、様々な要素を総合的に判断する必要があります。その中でも、脚の太さは馬の丈夫さを示す重要な指標の一つであり、これを測る尺度となるのが「管囲」です。管囲とは、前脚の膝と球節の間の最も細い部分の周囲の長さを指します。まるで人の手首のように、体重を支える上で重要な部分であり、この太さが馬の頑丈さを示すと言えるでしょう。 馬の全体重は四本の脚で支えられています。ですから、脚が太く頑丈であればあるほど、自らの体重をしっかりと支え、激しいレースの負担にも耐えられると考えられています。管囲は、馬の体高や胸囲と同様に、馬格を測る重要な要素となります。これらの数値を比較することで、馬体のバランスや発育状態を総合的に判断することが可能になります。 管囲の平均的な数値はおよそ十八から二十センチメートルと言われています。これは、一般的な競走馬の体格を基準とした場合の数値です。しかし、近年では、五百キログラムを超えるような大型の馬も増えてきており、それに伴い、管囲が二十センチメートルを超える馬も珍しくなくなってきました。大型馬は、パワーやスピードの面で優れている一方、脚への負担も大きくなるため、管囲の太さがより重要視される傾向にあります。 管囲を測る際には、通常、左前脚が用いられます。これは、馬体の左右のバランスに多少の差がある場合でも、一定の基準で測定するためです。左前脚の膝と球節の間の最も細い部分を専用の巻尺で測ることで、正確な管囲の数値を把握することができます。こうして得られた数値は、馬の将来性を評価する上で貴重なデータとなります。