球節

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馬のケガ

クモズレ:競走馬の宿命

競走馬の脚、特に後ろ脚の球節の下あたりをよく見てみると、円形に腫れ上がった傷を見かけることがあります。これを「くもずれ」といいます。球節というのは、馬のひづめの上にある、人のくるぶしのような丸く膨らんだ部分です。この球節の下部に、馬場の砂などがこすれ付いて傷になってしまうのです。まるで蜘蛛の巣のように見えることから、「くもずれ」と呼ばれるようになりました。「ともずれ」と呼ばれることもあります。 くもずれは、競走馬にとって宿命とも言える外傷です。なぜなら、競走馬は速く走るために後ろ脚で地面を力強く蹴り上げます。この時、後ろ脚の球節部分が地面や砂にこすれやすくなり、くもずれが発生しやすくなるのです。くもずれは、多くの競走馬に見られる外傷であり、走る速さと引き換えに負ってしまう傷とも言えます。 くもずれは、軽度の場合は自然に治ることが多いですが、重症化すると化膿したり、皮膚が壊死することもあります。そのため、日頃から馬の脚の状態をチェックし、早期発見、早期治療が重要です。予防策としては、馬房の砂を清潔に保ったり、馬の脚に保護具を付けるといった方法があります。また、調教の強度を調整することで、くもずれの発生リスクを低減することも可能です。このように、くもずれは競走馬にとって避けられない外傷ではありますが、適切な管理とケアによって、重症化を防ぐことができるのです。
馬のケガ

競走馬のくもずれ:その原因と予防策

くもずれ、またはともずれと呼ばれるものは、競走馬の後ろ足の関節、蹄の上のくるぶしのように丸く膨らんだ部分の下にできる、円形の腫れ上がった傷のことです。まるで空に浮かぶ雲のように丸く見えることから、くもずれという名前が付けられました。この傷は、走路の砂などによる摩擦で皮膚が擦れてできる外傷で、競走馬特有の怪我と言えます。競走馬は速く走るために後ろ足の蹴り出す力がとても強く、地面との摩擦も大きくなるため、くもずれが起こりやすいのです。 一見すると小さな傷のように見えますが、そのままにしておくと悪化し、膿んだり、より大きな傷になってしまうこともあります。そのため、早く見つけて適切な処置をすることが大切です。具体的には、患部を清潔に保ち、消毒液で洗い、抗炎症薬を塗布するなどの処置を行います。また、症状が重い場合は獣医師による治療が必要となることもあります。さらに、再発を防ぐためには、患部を保護するバンドを巻いたり、馬房の地面にクッション材を敷いたりするなどの対策も重要です。 くもずれは馬の健康状態だけでなく、競走成績にも影響を及ぼすことがあります。痛みや不快感のために、本来の走り方ができなくなる場合もあるからです。速く走るために重要な後ろ足に傷があると、馬は十分な力を出せなくなったり、走るリズムが崩れたりする可能性があります。また、くもずれの痛みを避けるために、馬が走りを変えてしまうと、他の部位に負担がかかり、新たな怪我に繋がる恐れもあります。このように、競走馬にとってくもずれは軽く見てはいけない問題です。日頃から馬体のチェックを欠かさず、早期発見、早期治療を心掛けることが、競走馬の健康を守り、良い成績に繋がる第一歩と言えるでしょう。
馬体の各部位

馬の繋:強さと繊細さの秘密

馬の脚は、その力強さとしなやかさで知られています。走る、跳ぶといった激しい動きを支えているのは、複雑で精巧な脚の構造です。中でも繋(つなぎ)と呼ばれる部分は、馬の脚にとって大変重要な役割を担っています。 繋は、蹄(ひづめ)の上部と球節(きゅうせつ)の間にある、一見すると短い部分です。この繋の中に、第一指骨(だいいちしこつ)と呼ばれる骨が隠れています。蹄の中には、さらに第二指骨、第三指骨といった骨も存在しますが、繋を形成しているのは、この第一指骨です。 馬の体重は、平均で400から500キログラムにもなります。この大変な重さを支え、跳躍や走行時の衝撃を吸収するのが繋です。繋は、適度な角度を持っており、この角度こそが、クッションのような役割を果たし、脚にかかる負担を軽減しているのです。もし繋の部分がまっすぐであったなら、馬は着地の度に大きな衝撃を受け、脚を痛めてしまうでしょう。 繋のしなやかな構造も重要な要素です。繋には、腱(けん)や靭帯(じんたい)といった組織が複雑に絡み合って、強さと柔軟性を両立させています。これらの組織が、バネのような働きをすることで、馬は軽快に走り、高く跳ぶことができるのです。繋の健康を保つことは、馬の運動能力を維持する上で欠かせません。日々の適切な管理とケアが、馬の力強い走り、そして健康を支えているのです。