
競走馬の歩幅:一完歩の秘密
競馬において、速さを決める重要な要素の一つに「歩幅」があります。馬が一回脚を踏み出すごとに進む距離、これを一完歩と言いますが、この一完歩が大きければ大きいほど、速く走ることができます。
我々が普段歩く姿を思い浮かべてみてください。一歩踏み出す距離は大体数十センチメートル程度でしょう。それと比べて競走馬はどれくらい歩幅が大きいのでしょうか。大人の男性の歩幅がだいたい1メートル前後だとすると、競走馬はその2倍から3倍、およそ7メートルから8メートルもの距離を一完歩で進んでしまいます。人間の歩幅の何倍も大きな歩幅で、力強く地面を蹴りだしていくのです。
この大きな歩幅があるからこそ、競走馬は時速60キロメートルという驚異的なスピードで走ることができるのです。想像してみてください。自動車と同じくらいの速さで、馬が芝生の上を駆け抜けていく姿を。あのスピードは、まさに大きな歩幅が生み出している力強さの証と言えるでしょう。
では、なぜ競走馬はこれほどまでに大きな歩幅で走ることができるのでしょうか。それは、彼らの体の構造にあります。長い脚、しなやかな筋肉、そしてバランスの取れた体幹。これらの要素が組み合わさることで、あのダイナミックな走りが実現するのです。生まれながらに速く走ることに特化した体を持っていると言えるでしょう。
私たちが歩く時の歩幅と比べてみれば、競走馬の歩幅の大きさがどれほど驚異的か、改めて実感できるはずです。競馬を観戦する際には、ぜひ馬の歩幅にも注目してみてください。力強い脚取りから繰り出される大きな歩幅に、きっと圧倒されることでしょう。