呼吸

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馬の病気

競走馬の喘鳴症:その症状と影響

喘鳴症は、競走馬にとって大きな問題となる呼吸器の病気です。「のどなり」とも呼ばれるこの病気は、喉の奥にある空気の通り道である喉頭口を調節する神経の働きが悪くなることで起こります。この神経が麻痺すると、喉頭口が狭くなってしまい、スムーズに空気が通れなくなります。 このため、馬が息を吸ったり吐いたりするたびに、「ヒューヒュー」あるいは「ゼーゼー」といった異常な呼吸音が聞こえるようになります。まるで笛を吹くような音や、苦しそうに息をする音に似ていることから、喘鳴症という名前が付けられました。普段はおとなしくしている時にはあまり目立ちませんが、運動を始めると呼吸音がはっきりと聞こえるようになります。特に、競走馬のように全力で走る時には、呼吸が激しくなり、この音も大きくなります。 競走馬は、レースで全力を出すためにたくさんの空気を必要とします。しかし、喘鳴症の馬は、狭くなった喉頭口のせいで十分な空気を吸い込むことができません。これは、人間が鼻をつまんで走るのと同じような状態です。息苦しさから、本来持っている力を出し切ることができず、レースの結果に大きな影響を及ぼします。走る速度が落ちるのはもちろん、持久力も低下するため、競走馬としての能力を著しく低下させる大きな原因となるのです。 そのため、喘鳴症は競走馬にとって深刻な病気として、関係者を悩ませています。
馬体の各部位

馬の鼻の穴:大きさと能力の関係

競走馬にとって、鼻の穴は呼吸をする上で唯一の大切な器官です。人間のように口で呼吸することはできないので、鼻の穴である鼻孔は空気の通り道として極めて重要な役割を担っています。走る馬は、特に激しい運動を行うため、たくさんの酸素を体内に取り込む必要があります。鼻孔は、空気の入り口であり、その大きさは酸素摂取量に直結します。鼻孔が大きく開いている馬は、一度にたくさんの空気を吸い込むことができるため、効率よく呼吸ができます。これは、長距離を走るレースや、最後の直線で激しい追い込みをする際に、特に有利に働きます。まるで鞴(ふいご)のように、大きく広がった鼻孔から勢いよく空気を吸い込み、全身に酸素を行き渡らせることができます。また、鼻孔の大きさだけでなく、自在に開閉できるかも重要です。柔軟性に富み、大きく広がる鼻孔を持つ馬は、走る速度や状況に応じて空気の取り込み量を調整することが可能です。激しい運動中でも、スムーズに呼吸を続けられるため、最後まで走り抜く力につながります。競走馬にとって、鼻孔は単なる呼吸器官ではなく、勝利を掴むための大切な武器と言えるでしょう。鼻孔の形や大きさ、開閉の様子は、馬の呼吸能力を推し量る上で重要な判断材料となります。パドックなどで馬を観察する際には、鼻孔にも注目してみると、新たな発見があるかもしれません。