
馬体の秘密:旋毛のすべて
馬の体に渦を巻くように生えている毛の流れの起点や終点を旋毛といいます。まるで人の頭にあるつむじのようなもので、馬の体表にはたくさんの旋毛が存在します。なぜ旋毛ができるのかというと、馬の毛は皮膚に対してまっすぐに生えているのではなく、斜めに生えているからです。この斜めに生えた毛の流れがぶつかり合うことで、渦巻き模様が生まれます。これが旋毛の正体です。
馬一頭あたり20種類以上もの旋毛が見られると言われており、その位置や形、大きさも馬によって様々です。旋毛は、ちょうど人間の指紋のように、同じものを持つ馬はいない、唯一無二の特徴と言えるでしょう。
古くから、馬の旋毛は馬の性格や能力、さらには吉凶を占う重要な手がかりとして用いられてきました。例えば、旋毛の位置によって馬の気性を判断したり、旋毛の数で馬の寿命を占ったりしていたという記録が残っています。現代では、このような占いは迷信として捉えられることが多いですが、今でも旋毛の位置や形で馬の気性や能力をある程度判断できると考える人もいます。
旋毛は単なる渦巻き模様ではなく、馬それぞれが持つ個性を表す重要な特徴です。競走馬の世界においても、旋毛は馬体評価の項目の一つとなっており、多くの関係者が注目しています。旋毛を観察することで、馬の個性や特徴をより深く理解できるかもしれません。