
競馬用語「持ったまま」を解説
競馬中継をよく聞く人なら、「持ったまま」という言葉を耳にしたことがあるはずです。これは、騎手が手綱をぎゅっと引っ張ったり、ムチで馬のお尻を叩いたりといった特別なことをしなくても、馬が自分の力で軽々と走っている様子を表す言葉です。文字通り、騎手が手綱を「持ったまま」で、まるで何もしないでいるかのように見えることから生まれた表現です。
この「持ったまま」という言葉は、大抵の場合、レースで勝った馬に対して使われます。他の馬を大きく引き離し、まるで散歩でもするかのようにゴール板を駆け抜ける姿は、まさに「持ったまま」と呼ぶにふしぎはありません。それほどまでに、他を圧倒する強さを示す言葉として使われています。
では、具体的にどのような状況で「持ったまま」が使われるのでしょうか。例えば、最後の直線で先頭に立った馬が、騎手が手綱を緩めているにもかかわらず、後続の馬との差をどんどん広げていくような場合です。あるいは、ゴール直前で騎手が後ろを振り返り、他の馬との差を確認する余裕を見せるような時にも、「持ったまま」という言葉が使われます。このような光景は、見ている人にも、その馬の強さがひしひしと伝わってくることでしょう。
「持ったまま」は、単に勝ったということを表すだけではありません。それは、他の馬を寄せ付けない圧倒的な強さ、そして、騎手の自信をも表す言葉なのです。だからこそ、この言葉は競馬ファンの間で広く使われ、レースをより一層盛り上げるスパイスとなっていると言えるでしょう。まさに、余裕たっぷりの勝利を象徴する、競馬独特の表現と言えるでしょう。