
競走馬の異変:ガレるってどういうこと?
競走馬にとって、健康状態や調子を保つことは何よりも大切です。馬の衰えを示す言葉に「ガレる」というものがあります。これは、馬体が痩せこけて、毛ヅヤが悪くなり、活気が失われた状態を指します。まるで肉が落ちて骨が目立つように見えることから、このように表現されます。
具体的には、肋骨や背骨が浮き出ていたり、腰のくぼみが深くなっていたりすると、ガレていると判断されます。また、毛ヅヤが悪く、パサついていたり、光沢が失われていたりするのも特徴です。さらに、目の輝きがなくなったり、元気がなく、動作が緩慢になっていたりする場合も、ガレていると言えるでしょう。
経験豊富な調教師や騎手は、こうしたわずかな変化も見逃しません。彼らは毎日馬と接することで、馬の状態を把握し、ガレる兆候をいち早く察知しようと努めます。なぜなら、ガレることは、馬の健康状態が悪化していることを示すだけでなく、レースでの成績にも大きく影響するからです。
ガレが生じる原因は様々です。過酷な調教やレースによる疲労の蓄積、夏バテ、飼料の不足や栄養バランスの乱れ、寄生虫の感染、さらには精神的なストレスなども関係しています。そのため、ガレる兆候が見られた場合は、原因を特定し、適切な対処をすることが重要です。栄養価の高い飼料を与えたり、休養を与えたり、獣医師による診察を受けさせたりするなど、状況に応じて対応しなければなりません。
馬が最高の状態でレースに臨めるよう、日々の細やかな観察と、馬体管理、体調管理は欠かせません。関係者は常に気を配り、馬の健康を守り、能力を最大限に引き出せるよう努力を続けています。