レース前

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レースに関する用語

返し馬でわかること、わからないこと

競走馬は、レース本番前にパドックを出て、本馬場入場後に軽い運動を行います。これを返し馬と呼びます。返し馬は、人間で言うところの準備運動であり、競走馬の心身の状態を整える重要な役割を担っています。 まず、返し馬は競走馬の身体を温める効果があります。パドックではゆったりと歩いている競走馬ですが、返し馬では速足やキャンター、場合によっては駈け gallop などを行い、筋肉をほぐし、血液の流れを良くします。これにより、レース本番で最高のパフォーマンスを発揮できるよう、身体を準備します。人間が運動前にストレッチをするのと同様に、競走馬にとっても返し馬は怪我の予防という点でも大切です。 返し馬は騎手にとっても重要な時間です。騎手は返し馬を通して、その日の競走馬の状態を最終確認します。馬の反応や動き、気合の乗り方などを細かくチェックし、レースでの騎乗方法を最終調整します。たとえば、馬が落ち着きがないようであれば、なだめながら走らせたり、逆に元気がないようであれば、軽く促して活気づけたりします。 さらに、返し馬は競走馬の精神面にも良い影響を与えます。レース前は、大観衆の声援や他の馬の存在など、普段とは異なる雰囲気に競走馬は緊張したり興奮したりすることがあります。返し馬を行うことで、これらの緊張や興奮を和らげ、集中力を高めることができると言われています。 このように、返し馬は競走馬にとって身体の準備だけでなく、騎手との意思疎通や精神的な調整という点でも重要な意味を持ち、レース本番で力を出し切るための欠かせない準備と言えるでしょう。
競馬場

競馬の舞台裏:装鞍所で何が起こる?

競馬は、華やかな芝の上で行われるレースだけでなく、舞台裏にも多くの準備があります。出走馬たちがレース前に必ず通過しなければならない場所の一つが装鞍所です。そこは、レース本番に向けた最終調整の場であり、多くの関係者で活気に満ちています。 競馬の規則では、出走馬は発走時刻の七十分前(特別なレースでは九十分前)までに装鞍所に到着するよう定められています。これは、馬の体調を念入りに確認し、レースに向けた最終調整を行うための大切な時間です。もし到着が遅れると、残念ながら出走が取り消されてしまうこともあります。そのため、関係者は時間厳守を徹底し、スムーズなレース運営に協力しています。 装鞍所では、まず馬の健康状態が獣医師によって確認されます。体温や心拍数、呼吸などを細かく調べ、少しでも異常があれば出走を控える判断が下されます。これは、馬の安全を守る上で非常に重要な手順です。 健康確認が終わると、いよいよ鞍や腹帯などの馬具が装着されます。騎手は自分の馬具を確認し、丁寧に馬に装着していきます。この時、馬と騎手の信頼関係が大切になります。騎手は馬の気持ちを察し、優しく声をかけながら、馬具を装着していきます。 馬具装着後、騎手が騎乗し、パドックへ向かいます。パドックでは、観客に馬の状態を見せるため、数周歩いたり走ったりします。観客はこの様子を見て、馬券の購入を検討します。パドックでの馬の動きは、レースの結果を占う重要な要素の一つと言えるでしょう。 このように、装鞍所での作業は、レースの成功に欠かせない重要な役割を担っています。華やかなレースの裏側では、関係者たちの丁寧な作業と、馬と騎手の静かなコミュニケーションが、次のレースへの準備を着実に進めているのです。