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競馬場

芝の植え替えと競馬

競馬は芝生の上で行われるため、芝の状態がレースの安全性と公平性に直結します。芝生の管理は、競馬を支える重要な仕事と言えるでしょう。 競馬場の芝生管理は、芝刈り機で長さを揃えるといった単純な作業ではありません。馬が安全に走れるよう、またどの馬にも公平な条件でレースに臨めるよう、様々な工夫が凝らされています。 まず、芝の種類の選定が重要です。日本の気候風土に適し、馬の脚への負担が少ない品種が選ばれます。夏は暑さに強く、冬は寒さに強い品種など、季節に合わせて複数の品種を組み合わせることもあります。 そして、水やりや肥料散布も欠かせません。芝の生育状況を見ながら、最適な量の水と肥料を与え、健康な状態を保ちます。生育が遅れている部分には集中的に肥料を与えたり、日当たりや水はけを調整したりと、きめ細やかな管理が必要です。 さらに、レース後の芝生の回復も重要な作業です。レースで馬が走ると、芝生は少なからず傷みます。傷んだ部分を補修し、次のレースに備える必要があります。エアレーションという、芝生に穴を開けて空気を送り込む作業や、目砂という、砂を撒いて芝生の状態を整える作業などを行います。 このように、競馬場の芝生管理は、季節や天候、レース状況など様々な要因を考慮した、繊細で緻密な作業の積み重ねによって成り立っています。芝の状態は、馬の安全、レースの公平性、ひいては競馬の質そのものに影響を与えるため、芝生管理は、競馬を陰で支える重要な役割を担っていると言えるでしょう。