あて馬

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育成

競馬の裏方、あて馬の役割

競馬の世界では、華やかなレースの裏側で、様々な役割を担う馬たちがいます。その中でも、「あて馬」は、あまり知られていないものの、次世代のスター馬を生み出す上で欠かせない存在です。彼らはレースに出ることはありません。彼らの仕事は、繁殖、つまり子馬を作るためのお手伝いです。 具体的には、あて馬は牝馬(めすうま)の発情期を見極めるために用いられます。牝馬は発情期にならないと交配できないため、その時期を正確に知ることはとても重要です。あて馬は、牝馬のそばに寄り添い、行動や匂いの変化など、わずかな兆候も見逃さずに観察します。そして、牝馬が発情期に入ったと判断すると、それを人間に知らせます。このサインを受けて、いよいよ種牡馬(たねおすうま)の出番となります。 種牡馬は、優秀な成績を残した馬であることが多く、一頭の種付け料は非常に高額です。そのため、貴重な種牡馬の時間を無駄にしないためにも、あて馬による正確な発情期の把握は不可欠です。あて馬は、いわば繁殖のプロセスにおける案内役と言えるでしょう。 このように、あて馬は表舞台には立ちませんが、競馬界を陰で支える重要な役割を担っています。彼らがいなければ、優秀な競走馬は生まれてこないと言っても過言ではありません。あて馬は、まさに縁の下の力持ちと言えるでしょう。