馬の額の模様:珠目について

馬の額の模様:珠目について

競馬を知りたい

先生、「珠目(しゅもく)」って、競馬の用語で額にある渦巻きみたいなもののことを言うんですよね?

競馬研究家

そうだよ。馬の額にある旋毛(つむじ)のことだね。人のつむじと同じように、馬にも額に渦を巻いたような毛の流れがあるんだよ。

競馬を知りたい

場所によって名前が違うって聞いたんですけど、どういうことですか?

競馬研究家

いい質問だね。目の上下の線の間にあるのが「珠目正」、それより上なら「珠目上」、下なら「珠目下」と言うんだ。馬の体の特徴をよく見て、それぞれの違いを覚えていくと競馬の見方がもっと楽しくなるよ!

珠目とは。

馬の額にある渦巻き状の毛のことを「珠目(しゅもく)」といいます。馬の目の上の線と下の線の間にあるものを「珠目正(しゅもくせい)」、それより上にあるものを「珠目上(しゅもくじょう)」、下にあるものを「珠目下(しゅもくか)」といいます。

額の旋毛:珠目とは

額の旋毛:珠目とは

馬の顔をよく見ると、額に渦を巻いた毛の流れがあるのに気づきますか?これは、私たち人間のつむじと同じように、馬の額にある毛並みの渦巻きで、「珠目(しゅもく)」と呼ばれています。古くから馬を品定めする際に、この珠目は重要な手がかりの一つとして大切にされてきました。

珠目は、その位置や形によって様々な呼び名があり、例えば、額の中央にあるものは「的目(まといめ)」、額の上部にあるものは「天目(てんもく)」、左右どちらかに寄っているものは「寄り目(よりめ)」などと呼ばれています。まるで人間の指紋のように、全く同じ珠目を持つ馬はいないため、馬を見分ける重要な目印にもなっていました。昔は馬の売買の際に、珠目の位置や形を記録に残し、その馬の個性を見極める一種の戸籍代わりとしていたほどです。

珠目の良し悪しを判断する基準は、その位置と形、そして毛並みの美しさにあります。額の中心に位置し、渦が美しく整っている珠目は吉相とされ、特に的目は馬の気性を穏やかにすると信じられてきました。一方、渦が乱れていたり、左右に大きく寄っていたりする珠目は、気性が荒い証拠だと考えられてきました。

もちろん、珠目の位置や形で馬の性格が全て決まるわけではありません。しかし、馬の個性を象徴する珠目は、馬を深く理解するための手がかりの一つとして、今でも大切にされています。小さな渦巻き模様の中に、その馬が生きてきた歴史や個性が刻まれていると言えるでしょう。

項目 説明
珠目(しゅもく) 馬の額にある毛並みの渦巻き。人間のつむじのようなもの。馬の品定めの重要な手がかり。
種類 的目(まといめ):額の中央にあるもの
天目(てんもく):額の上部にあるもの
寄り目(よりめ):左右どちらかに寄っているもの
特徴 全く同じ珠目を持つ馬はいないため、馬を見分ける目印や戸籍代わりとして利用されていた。
判断基準 位置、形、毛並みの美しさ。額の中心に位置し、渦が美しく整っている珠目は吉相とされる。
的目の効果 馬の気性を穏やかにすると信じられている。
良くない珠目 渦が乱れていたり、左右に大きく寄っていたりする珠目は、気性が荒い証拠だと考えられていた。
現代における珠目 馬の性格を全て決めるわけではないが、馬の個性を象徴するもの、馬を深く理解するための手がかりとして大切にされている。

珠目の位置による分類

珠目の位置による分類

馬の顔にある白い模様、珠目。その位置によって馬の気性や能力を見極めようとするのは、古くからの伝承です。珠目の位置による分類は大きく三種類に分けられます。まず、両目と両耳を結んだ線と、額の中心を通る線が交わる点を想像してみてください。この点を基準として、珠目の位置が分類されます。この基準点に珠目がある馬は「珠目正」と呼ばれます。珠目正は、顔全体の均衡が取れており、古来より理想的な位置だとされてきました。均整の取れた顔立ちから、穏やかで素直な気性を持つ馬が多いとされ、調教もしやすい傾向があると信じられています。次に、この基準点よりも上に珠目がある馬は「珠目上」と呼ばれます。珠目上の馬は、額の中心より高い位置に珠目があるため、やや気性が荒く、神経質な面を持つ馬が多いと言われています。しかし、その反面、闘争心や走ることへの情熱が強い馬もいるため、優れた競走馬となる可能性も秘めているとされています。最後に、基準点よりも下に珠目がある馬は「珠目下」と呼ばれます。珠目下の馬は、額の中心より低い位置に珠目があるため、比較的おとなしく、従順な気性の馬が多いとされています。調教の指示をよく聞き、扱いやすい反面、競走においては闘争心が不足することもあるため、その能力を見極める必要があります。このように、珠目の位置は馬の気性や能力を推し量る上で、古くから重要な要素の一つとされてきました。ただし、珠目の位置だけで馬の全てを判断できるわけではありません。他の要素と合わせて総合的に判断することが、馬選びの際には重要となります。

珠目の位置 特徴 気性 能力
珠目正 両目と両耳を結んだ線と、額の中心を通る線が交わる点に珠目がある 穏やかで素直。調教しやすい。 古来より理想的な位置とされる。
珠目上 基準点よりも上に珠目がある やや気性が荒く、神経質な面を持つ。 闘争心や走ることへの情熱が強い馬もいるため、優れた競走馬となる可能性も秘めている。
珠目下 基準点よりも下に珠目がある 比較的おとなしく、従順。調教の指示をよく聞き、扱いやすい。 競走においては闘争心が不足することもある。

珠目と気性の関係

珠目と気性の関係

馬の目頭の少し上の位置にある小さな突起、珠目。その位置によって馬の気性が変わると昔から言われています。珠目の位置は「珠目正」「珠目上」「珠目下」の三つに大きく分けられます。

まず「珠目正」とは、珠目が目のちょうど真ん中あたりにある状態です。このような馬は気性が穏やかで素直だとされ、乗り手にとっては扱いやすい馬と言えます。初めて馬に乗る人や、経験の浅い人でも安心して乗れるため、調教もしやすいでしょう。古くから「珠目正」の馬は良馬の証とされ、多くの人に好まれてきました。

次に「珠目上」とは、珠目が目よりも上の位置にある状態です。このような馬は気性が荒く、神経質な面があります。些細な物音や周りの変化に敏感に反応し、突然走り出したり、人を振り落とそうとしたりすることもあります。熟練の騎手であっても、その扱いは容易ではありません。しかし、その激しい気性はレースでは大きな推進力となることもあり、適切に制御できれば、他の馬を圧倒する走りを見せる可能性を秘めています。

最後に「珠目下」とは、珠目が目よりも下の位置にある状態です。このような馬は臆病で、物事に動じやすい傾向があります。少しの刺激にも驚き、萎縮してしまうため、レースなどでは実力を発揮できないこともあります。しかし、繊細で感受性が豊かなため、周囲の状況をよく観察し、危険を察知する能力に長けています。

これらの珠目の位置と気性の関係は、科学的な根拠があるわけではありません。長年に渡る先人たちの経験に基づく、いわば伝承的な知恵です。もちろん、珠目の位置だけで馬の全てを判断することはできません。しかし、馬の個性を知る上での一つの指標として、現在でも競馬関係者の間で参考にされています。

珠目の位置 気性 特徴
珠目正 穏やか、素直 扱いやすい、良馬の証、調教しやすい
珠目上 荒い、神経質 扱いが難しい、激しい気性、潜在能力が高い
珠目下 臆病、動じやすい 実力を発揮しにくい、繊細、感受性が豊か、危険察知能力が高い

珠目の形状

珠目の形状

馬の額にある白い模様、珠目。その位置だけでなく、形も実に様々です。丸い形はもちろんのこと、楕円形、三日月形など、実に多様な形が存在します。まるで夜空に輝く星のようで、一つとして同じものはありません。

中には、小さな珠目がいくつか集まって、まるで花束のように見えるものもあります。また、まるで指紋のように渦を巻いているもの、複雑に線が絡み合い、不思議な模様を描いているものもあります。これらは、馬の顔の額という限られた場所に、自然が描いた芸術作品と言えるでしょう。

古くから、馬をよく知る人々の間では、この珠目の形に何か特別な意味があるのではないかと考えられてきました。例えば、丸い珠目は穏やかな性格を表し、三日月形の珠目は気性の激しい馬の特徴だと伝えられています。また、渦を巻いた複雑な模様の珠目は、賢く、特別な能力を持った馬の印だと信じている人もいます。

もちろん、これらの言い伝えは科学的な根拠に基づいたものではありません。しかし、馬の顔、特に珠目をじっくり観察することで、その馬の個性や特徴が見えてくることもあるかもしれません。まるで人の顔つきや手相を見るように、馬の珠目もまた、その馬自身を知るための手がかりとなる可能性を秘めていると言えるでしょう。珠目は、馬の顔に刻まれた、小さな秘密の記号なのかもしれません。

珠目の形 言い伝えによる性格・特徴
穏やか
三日月形 気性が激しい
渦を巻いた複雑な模様 賢い、特別な能力を持つ

珠目の観察方法

珠目の観察方法

馬の額には、毛並みが渦を巻いている部分があり、これを「珠目(しゅめ)」と呼びます。この珠目は、馬の個性を見極める上で重要な手がかりとなるため、その観察方法を詳しく解説します。

まず、馬の正面に立ち、安全な距離を保ちながら観察を始めましょう。馬を驚かさないよう、落ち着いた態度で接することが大切です。両目と両耳を結んだ線を思い描き、その中心付近に珠目があるはずです。額の中央を探るように、毛並みの流れを丁寧に目で追っていきましょう。渦の中心点が珠目です。見つからない場合は、少し角度を変えて観察してみましょう。

珠目の位置を確認したら、両目と両耳を結んだ線との位置関係に注目します。この線上に珠目があれば「珠目正」、線より上にあれば「珠目上」、線より下にあれば「珠目下」と呼びます。珠目の位置は、馬の性格や気性と関連があるとされています。

さらに、珠目の形状や大きさ、毛並みの流れ方なども観察してみましょう。珠目は、円形や楕円形など、様々な形をしています。また、大きさも馬によって異なり、小さいものから大きなものまで様々です。毛並みの流れ方も、渦が強く巻いているものや、緩く巻いているものなど、個体差があります。これらの要素を総合的に判断することで、馬の個性をより深く理解することができます。例えば、珠目が大きく渦が強く巻いている馬は、力強く活発な性格であることが多いと言われています。

珠目の観察は、馬を知るための第一歩です。じっくりと観察することで、馬の個性や魅力を発見できるでしょう。優しく馬と接しながら、観察を楽しんでみてください。

観察項目 詳細 ポイント
観察開始 馬の正面に立ち、安全な距離を保つ 馬を驚かさない
珠目の位置 両目と両耳を結んだ線の中心付近 毛並みの流れを丁寧に目で追う
珠目の種類 珠目正、珠目上、珠目下 両目と両耳を結んだ線との位置関係で判断
形状 円形、楕円形など様々 大きさも馬によって異なる
毛並みの流れ方 渦が強く巻いているもの、緩く巻いているものなど 個体差がある

まとめ

まとめ

{馬の額にある小さな旋毛「珠目(たまめ)」。一見すると些細な特徴に思えますが、古くから馬体審査の重要な要素として、馬の個性や気性を判断する手がかりとされてきました。現代競馬においても、多くの関係者が注目する要素であり、その歴史と重要性について改めて考えてみましょう。

珠目の位置、形状、数は馬それぞれで異なり、一つとして同じものはありません。古来より、これらの特徴を組み合わせ、馬の気性や能力を推測する様々な言い伝えが伝えられてきました。例えば、珠目の位置が高い馬は気性が荒く、低い馬はおとなであるとか、珠目が右巻きに渦巻いている馬は気が強く、左巻きはおとなしいなど、伝承されてきた知恵は数多く存在します。これらの言い伝えは、長年の経験に基づいた観察と記録から生まれたものであり、現代の科学的な知見とは必ずしも一致しないかもしれませんが、馬への深い理解と愛情を示すものとして、大切に受け継がれてきました。

珠目は馬の個性を示す名刺のようなものです。馬の顔をよく観察し、珠目の位置や形、数を確認することで、その馬固有の特徴を理解する手がかりとなります。同じ馬でも、レースでの走り方や普段の振る舞いなどが違って見えるかもしれません。珠目を見ることで、その馬の個性や背景にある歴史を感じ、より深い部分で馬と繋がることができるでしょう。

競馬を楽しむ上で、珠目に注目することは、馬への理解を深めるだけでなく、レース観戦をより豊かにする一つの方法と言えるでしょう。パドックで馬の状態を確認する際に、珠目に注目してみてください。馬体全体の様子と合わせて観察することで、新たな発見があるかもしれません。珠目は馬の世界への入り口であり、馬との絆を深めるためのかけがえのない手がかりです。馬の額にある小さな珠目に、ぜひ注目してみてください。

珠目(たまめ) 概要 位置、形状、数 言い伝え(例) 現代競馬での意義
馬の額にある小さな旋毛 馬体審査の重要な要素。馬の個性や気性を判断する手がかり。 馬それぞれで異なる。一つとして同じものはない。 ・位置が高い馬は気性が荒く、低い馬はおとなしい。
・珠目が右巻きに渦巻いている馬は気が強く、左巻きはおとなしい。
馬の個性を理解する手がかり。レース観戦をより豊かにする。馬への理解を深める。